うたかた日誌

旅行、読書、時々料理。

八丈島/Hachijo Island - Day 1 -

思い立って東京の亜熱帯八丈島へ行ってきました。

羽田から飛行機で50分。こんなに東京から近いところに南の楽園があったなんて何で今まで気づかなかったのでしょう。最高の旅の記録をほんの少しだけ残しておきます。

 

八丈島に行きたいと思ったのは多分、「せつない気持ちで新宿で飲んだ明日葉ビール、ほんとに苦かったな〜。」という友人の言葉が頭の片隅にこびりついていたから。「明日葉」は強くて前向きな言葉のはず。苦いだけじゃないはず。行かなきゃ、八丈島

 

行きの飛行機は右側座席。富士山も見えて幸先良し。走って飛び乗った早朝の飛行機で、飛んだと思ったらすぐ降りて、朝8時半八丈島到着です。

 

1日目はそのままダイビングショップの方に空港までお迎えに来ていただきました。八丈島はビーチから海に入るのが一般的なようですがこの日は波の関係でボートダイブ。水中カメラもお店でお借りできたので、ダイビングのカメラデビューです。

アオウミガメに会えて感動。水中カメラは接写でフラッシュたいて写真とるとこまでは習得できました。 群の写真や人の写真はまだ難しい。。透明度30メートルの美しすぎる東京都の海!3本いけるかなと思ったけれど、たくさん泳いでちょうどよくくたびれましたので2本でホテルに帰ります。

 

滞在したのは三根地区。底土海岸の目の前です。ひとまず買い出しに歩いてスーパーへ行ってみると。

何故だろう。何故クリスマスなんだろう。そっとしておこう。

スーパーに売っているくさや。このようなほぐされたものは臭みも少なく食べやすいそうです。

スーパーの目の前にあったパン屋さん。

くさやパンと明日葉パン、アンパン、クリームパンを購入しました。くさやパンをクンクンしていたらお店のおかぁさんが色々教えてくれた。くさやはヒラキが一番匂いがきついこと。口に入れるまでが辛い。そのあとは大丈夫。くさやパンはほぐした身をつつんで焼いているので匂いはきつくない。青唐辛子入りのくさやパンを20個買って帰るひともいる。冷凍をしておけば良い。青唐辛子は串に刺して炙ってぱちぱちっと青臭い匂いがしてきたらほぐして食べる。お刺身は醤油に青唐をほぐす。今日歯を抜いてきたおとうさんもそーめんに青唐を入れて食べてた。歯に悪いのではないかと思ったけど好きだから食べてしまった。今年は雨が多かったのでネリ(オクラ)と青唐辛子は非常に高騰している。今年は買わない方がよい。東京の娘にネリを送ってあげたら値段をみてびっくりしていた。

おかぁさんエンドレストークだったけどお腹が空いたのでじわりじわりと出口ににじりより、隙を見てお礼をして失礼させていただきました。この時のわたしたちは、こちらのお店がとってもお洒落な名前を持ち女子向けお洒落雑誌に載っているお店だったことも、これから連日通ってしまうお店になることも知らないのでありました。

ところで、明日葉パンサイコー。UFOの中に明日葉クリームとあんこが入っている。UFOの説明は省略。

 

夕飯は、大衆食堂のような居酒屋、大吉丸さん。安くて美味しくて楽しい。

くさやを初めて食べました。衝撃の味。八丈島の焼酎制覇への道は、「島流し」に始まりました。重みがあって美味しい。江戸時代の流罪人と現代に生きる私との間の隔たりと近さについて思いを馳せながらちびちびのむのにぴったり。もうひとつ飲んだのはジョナリー。外国のお酒の香りの後にふわりとやわらかい甘さが広がる。

初日から盛りだくさんすぎてお腹いっぱいなので、1日目はこれでおしまいですー。

山形県庄内地方/Shounai, Yamagata - Day 2 - 2.

駅でもらった時刻表をじっと見つめます。庄内地方から東京に帰るルートは、新潟周りで上越新幹線で帰るか、新庄から山形新幹線で帰るかのどちらかです。上越新幹線の方が早い。が、もっと山形を鉄道で走ってみたいのです。ということで、新庄ルートで帰ることに決定。

吹浦で使える時間は50分。吹浦駅から十六羅漢岩へは徒歩往復30分、十六羅漢岩で使える時間は20分です。行ける。出発。

 

吹浦駅から海側の道を歩き始めます。歩道がどういうわけか閉鎖されていましたので、ガードレールの外側、車道を必死に歩きました。本当は迂回路があったようなのですが、なにしろ私には時間がないのです。。歩いている人わたしひとり。心細い。老朽化して崩れ落ちそうな歩道をお金をかけて直す必要性がないのかもしれない。涙。

日本海っぽい。怪しげなる岩場と鳥居。

グーグルマップ先生のおっしゃる通り、駅から15分で十六羅漢岩に到着しました。

元々奇岩だったんですね。遡ること江戸時代末期、火山の噴火で流れ出した岩に、吹浦のお寺の寛海和尚の発願で十六羅漢を掘ることになったそうです。完成後、和尚様はご自身が守り仏になるために羅漢岩の海に身を投じられた、と。。

未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選「十六羅漢岩」 — 山形県ホームページ

ふむー。日本海の荒々しい海。漁村の人々の暮らし。海で亡くなった方々のこと。ここに生きた人たちの、亡くなった人たちへの想い、生きている人たちへの想い、自然と神様のこと、自分との繋がり。考え始めるとあまりに圧倒的すぎる。所要時間20分では到底受け止めきれないので、思考を停止して一旦この景色を体で受け止めて、くるりと帰り道を急ぎます。

駅前にあった鉄道の父像。

初めて使った、乗車駅証明書発行機。降車時の切符は写真の緑のポストに入れることになっていました。

二両編成の車内で、車掌さんに乗車駅証明書を見せて切符を購入します。酒田駅で乗り換えて羽越本線快速最上川新庄駅へ。この酒田ー新庄間の電車、座れない人もいるくらいテツオタで混んでました。テツオタってなんでぽっちゃりで汗臭い人多いの?って思ったけど、実は私もテツコな気がするし、汗だくで臭いのは自分だったことに気づく。あたしら仲間やん。新庄駅で今日も汗だくのTシャツをお着替えして、山形新幹線で東京へ帰るのでした。

新幹線から見える景色。あれ?新幹線なのに塀がない?大丈夫なのかな?

帰りのルート。

山形県庄内地方/ Shounai, Yamagata - Day 2 - 1.

昨日、日曜日なのでバスは朝9時半一択です、と宿の方に言われ、もう少し宿でゆっくりしたいところを頑張って朝から活動開始です。朝も温泉に入ってから朝食。

夕食も朝食も山形の素材たっぷり。すごくおいしくて朝からご飯をおかわりしました。準備万端。いざゆかん。

まずは、街中に戻り、昨日見かけて絶対いくと決めた旧庄内藩校 致道館へ。「君子学ンデ以テソノ道ヲ致ス」です。

すばらしー。徂徠学。致道館では荻生徂徠の徂徠学を教学にし、「天性重視・個性伸長」「自学自習」「会業(小集団討議学習)」「人倫道徳」の精神を重視した、んだそうです。中間管理職としても悩みの日々なので、刺さりました。目先のHow to本より歴史上の人物に教えを請うべし。わたしも女だてらに藩校で学問に励んでみたい人生でした。それはもはや叶わない夢ですが、帰り際に「親子で楽しむ庄内論語」を買って、孔子先生の教えを学ぶことを心に誓うのでした。

「子曰く。学んで而して思わざれば則ち罔ゆ。思って而して学ばざれば則ち殆ぶむ。」アーメン。

さて、次なる目的地は、鶴岡駅から出羽と越後を結ぶ鉄道、羽越本線で向かう吹浦駅です。思いの他致道館で時間を使ってしまい、電車を逃しそうだったので猛ダッシュ。この電車を逃すと次は3時間半後ですので、最大の目的地の十六羅漢岩に行けない…。汗だくになりながら走っているところに奇跡的にいた研修中のタクシーの窓を叩いて乗せていただき、事なきを得ました。

電車。二両編成。

路線図。英語あり〼

実は乗り換えのために酒田駅で1時間待ち。一度酒田で降りて駅で借りた無料のレンタサイクルで街を走ります。錆びついている恐ろしげな自転車ではありましたが、40分程度走るには十分でした。絶対電車に乗り遅れたくないのでほとんど観光できずに猛スピードで汗だくになりながら駅へ。ちなみに、この日の酒田市の最高気温34℃。焦りすぎて色々あって自転車をぶっ倒し、自転車からぎーこぎーこ嫌な音が鳴り始め、ますます汗が吹き出してではありますが、なんとか無事駅に到着しました。

後の人の安全のためにも、窓口で「なんか、自転車から変な音がします。」と事実の一部だけお伝えして自転車の鍵を返却、そのまま電車に飛び乗るのでした。

(つづく)