うたかた日誌

旅行、読書、時々料理。

八丈島/Hachijo Island - Day 5 -

はぁ。泣いても笑っても最終日。

今日も1日はブーランジェリーから始まりました。楽しい。今日も明日葉パンを購入。ブーランジェリーのお父さんとお母さん、しばらくお別れです。

山あり谷あり、改め、山あり海あり。初日より、海、森、山、海、山、海、海、山、海、ときました。紙媒体のありったけの情報を目の前に広げて決めた今日の目的地は、三原山トレッキングー硫黄沼と唐滝コース。いけるところまで車で行って、トレッキング開始です。そういえば、ヘゴの森で高橋さんにお借りした竹の杖も肌身離さず持参です。

迷子にならないように地図をパシャり。それにしてもすごくシンプルな地図。

迷子になる必要なし。1時間しない位?で硫黄沼に到着。

わかるかなぁ、わからないかなぁ。オオシオカラトンボと交尾&産み落とし(?)中の赤トンボが写っております。初めはただ、緑の沼だな、と思いました。でも、虫取り網とカゴを持っている親子連れと会話して、トンボがいることを知り、そうしたら沢山、それはもうかなり沢山トンボが飛んでいることに気づきました。見えていなかったものを見ようとして見たら見えた。ひとつ見えたら次々見えた。何か大事なことがわかりそうなんだけど、やっぱりまだわからない、かも。とにかく、ただトンボを目で追うのが楽しい。しばらく立ち尽くしましたが、ここはまだゴールではないので、唐滝を目指して再び登り始めます。

途中の道、割と大変だったのに写真を撮るのを忘れました。砂防堤を登ったり、真剣に無言で進むべき水場と向き合わねばならなかったためです。そしてたどり着いたのが、唐滝。硫黄の香りがふんわりしてきます。とても涼やか。

美しい。滝は圧巻でありました。滝壺で修行したくなるくらい威厳がありました。

硫黄の花が浮いている。日清戦争時代には火薬の原料として硫黄の採掘がされたそうです。

満足。山を降りて見晴らしの湯へ。今日は女湯が良い景色をみられる日。冬は見晴らしの湯からくじらがみられるそうです。

満足。

ここから夕方の飛行機の時間に向けてラストスパート。

古民家喫茶でお昼ご飯。クーラーを使わないのにとっても涼しい風が通って心地よい空間です。食べ物も美味しかった。

明日葉スコーン。満足。

そういえば、玉石垣のことについて触れていませんでした。八丈島は暴風雨から家を守るため玉石を築いています。流人が積んだものと言われているそうです。ここでまた出てきた、流人。江戸時代のことなので、ちょっとしたことでも島流しになっていたと思います。現代で言えば、私の兄なんかは速攻島送りよな。まるい綺麗な石たちを積む人たち。ふぅ。

あとは、お土産を買って車をお返しして、空港へ。

さようなら八丈島。ありがとう八丈島

飛んだと思ったらすぐ降りて、50分くらいで東京羽田に帰ってきました。盛り沢山だけど疲れすぎず、自然と人が良くて、食べ物も美味しくて、少しチャレンジもして、少し前よりできることが増えて、八丈島旅行のことを考えるだけで自然とニヤニヤしてしまう。感謝感謝。

伝えたくなる、八丈島の巻。ここで今回の分は完結します。ありがとうございましたー。

八丈島/Hachijo Island - Day 4 - 2.

夕方は、実はまだあまり行っていなかった島の東側にある登龍峠展望台へ。山道なので私の運転は自粛。うねうねとカーブが続き、空をかける龍の体の上を登っていくかのようです。辿り着いた場所は、八丈富士、底土海岸、八丈町八丈小島を見渡せる場所。三脚とカメラをバッチリ準備したお父さん達が何かを待っている。

はぁ。美しさ。

しかし、私がみたいのは大坂トンネルからみる八丈小島の横に落ちる夕日ですので、再び移動です。 

目の前にずっとある「末吉」の文字。

にっくき「スエキチ」。スエヨシに恨みはないし、三根地区と末吉地区を結ぶのが登龍峠なので目の前に末吉行きのバスがいるのは仕方ない。グッと堪えるべし。末吉は、鶴岡でひいたおみくじの話なのでそれはまた別のことです。

心を切り替えて、大坂トンネルに到着。間に合いました。しばし夕日を待ちます。

夕日スタンバイ。

ふぁぁ。美しさ。

水平線に雲がなく、まん丸で赤い太陽がそのまま海に落ちていきます。ずぅっとみていられた。太陽が沈んでからも美しく変化する空の色。

しかしなぜだろう、いつのまにか、日が落ちる前からずっと近くにいた地元のおじさんにその日にあったサッカーイベントの動画を見せてもらう時間になっていました。一番いいところで携帯の電池が切れたおじさん。ついに帰ってゆかれました。ちなみに、毎日のようにここの夕日をみにいらっしゃっているようで、まっすぐな水平線に落ちていく夕日はめったにみられないとのこと。ラッキーな気分です。

次のタスクは南原千畳敷の星空です。昨日光るキノコで再会したガイドの高橋さんに、明日は星が綺麗だから南原千畳敷に行くといいよ、と言われていたのです。ここまでの八丈島での緩やかな日々のお蔭で、大人の言うことはちゃんと聞く気分になっているので、絶対行く気満々。夜道だから私は運転しないけどね。

はい、到着。

ふぅぅ。美しさ。。

こんなに綺麗な天の川は初めてみました。

ぼぉっと見上げていると、星々が線で繋がっているように、動いているように、降ってくるように、思えました。鉄道で星々を移動するお話も納得いくかも。言葉のいらない美しさ。

しかし、、なぜだろう、近くから聞こえてくる不思議なおじさんの歌声。「ショメ、ショメ、ショメ、ホールドミータイト」(注:ショメとは潮女という八丈島の焼酎)「くさっ、くさっ、くさっ、くさやー」「八丈島は情けの島だよ情け島〜」(注:情け嶋とは、八丈島の焼酎)。あ〜、言葉のいらない美しい宙の世界と、筆舌に尽くし難い地上の人間世界。

宇喜多秀家なにをかいわんや。

現実世界に戻るトキを感じましたので、三根地区に帰り美味しい夕飯を食べて、幻の焼酎「黄八丈」を飲み、ついに最後の夜が終わるのでした。

八丈島の特産品について教えて欲しいというリクエストを受けたので、以下に写真だけ並べておきます。@魚八亭さん

八丈島/Hachijo Island - Day 4 - 1.

新しい朝が来ました。希望の朝です。

青い空、青い海、強い日差し、八丈富士には今日もガス。

今日もあのパン屋さんで、くさやパン(青唐辛子入り)、明日葉パンを買う。朝ごはんはパンと島のメロン。準備完了で再び海へ。太陽の光が高いところから差し込むため、海の中は昨日より益々澄んでいて綺麗でした。

小魚たちと戯れようとする。

ひとの写真。何が写っているのか始めわからなかったけど、じっくりみてみつけた。きゃわいい。。

今日も会えた、ウミガメさん。海底でゆーらゆーらしてました。昨日はどうもありがとうございました。合掌。

しばらく海も堪能しましたので、お昼を食べて文化の勉強へ。黄八丈めゆ工房さんです。木の皮など天然の染料を使って全部手仕事で糸を作るみたい。輝くばかりの黄色の絹糸がとっても綺麗。

奥の工芸館にある江戸時代の織り機。この石が重要なのだとか。

江戸時代の織り機を操れる数少ない人材。山下誉さん。人間の尊厳と衣服について思考するヒントをいただくのでした。私もアパレル業界の片隅に存在する身ですので、襟を正す思いです。

お話は続きます。大昔の織り機と様々な文書と誉さんの研究成果について。勉強熱心。

この相撲の写真をとっておけと言われたからとったよ。

 熱心な生徒達を得た誉さん。江戸時代の年貢反柄帳や、八丈の由来とされているお話を教えてくださり、次々と資料や写真をみせていただきました。年貢で収めていたのは、黄八丈ではなくて基本的には2色で紺色がメインの地味な反物。お侍が着る服に仕立てるので、黄色じゃないんだそうです。模様の見本と、織り方の見本が収められていました。

そして最後に出てきたのは、コナン・ドイルの「恐竜の世界」という本。

「私はね、恐竜の森を作ろうと思ってるの。」

!!!

あなた様は、あのヘゴの森のオーナー様ですね!

ここでやっと繋がりました。

そして、パプアニューギニアに行ったりドイツに行ったりしたときのお話が続く。機織りと恐竜の森に対する熱い想い。何事にも研究熱心ですごい行動力があるんだな、と思いました。若さの秘訣です。

ヘゴの森含め大変お世話になりました!ちなみに奥にいらっしゃるのが奥様とお見受けしますが、終始静かにお仕事を続けられていました。(尊敬)

さて、工芸館をお暇し、再び空間舎へ立ち寄り、かき氷を食べてひと段落。

 ここからは最後の夜にやっておくべきことに向けてラストスパートです!

(つづく)